お知らせ

新年のご挨拶 令和五年

檀家さま、有縁の皆さま

あけまして、おめでとうございます!

本年もまたよろしくお願いいたします!

今回の如来寺掲示板は「老い」をテーマとしましたが、書きながら思い出していたのが若い頃に読んだキケロ―の『老年について』です。
兄に「哲学も勉強しろ」と勧められたものの「難しいし興味がないから嫌だ」と拒否する私に、簡単だからと勧めてくれたのがこの本でした。
内容としてはキケロ―が提示する「老年を惨めとする理由」を一つ一つ潰していき、最終的に「老いも素晴らしい」とするものであったと思います。

詳しいことはあまり覚えていませんが、一つだけ印象に残り若いころは大切にしていた言葉があります。
それは「褒められる老人は若いころの基礎にの上に打ち立てられた老人で、最後には権威を得る。惨めな老人は自ら言い訳するばかりの老人。」というものです。
そして彼は若いころからのたゆまぬ修練や学びが褒められる老人になる手段としています。
まさに仏教の善因善果(良い原因を作れば良い結果が生まれやすくなる)、悪因悪果(悪い原因を作れば悪い結果が生まれやすくなる)と同じですね。

今年は自らの老いを見据え、良い老後を迎えるための基礎作りを始める一年としたいものです。

掲示板102

ちなみにキケローさんは老人の頑迷さや怒りっぽさ、欲深さなどは「性格の欠陥であって、老年の欠陥ではない」としています。
立川談志さんの名言に「酒が人をダメにするんじゃない。人間がもともとダメだということを教えてくれるものだ。」というものがあることを最近知りました。
老年やお酒を言い訳としない人物でありたいものです。